小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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編集後記

余裕


 余裕とは「裕な余り」と書く。俗っぽくとらえれば、人は義務と権利を持つから、一日の仕事や生活において、しなければならない義務を果たし、少しの余り時間で好きなことをする権利を持つことから、この権利が余裕だと解される。
 ここで一歩踏み込んで、義務が余裕になるかという問題提起をしたい。たとえば仕事である。仕事には「仕方なくする」仕事と「没頭してする」仕事がある。仕事に費やす時間全てが「仕方なく」するのは辛く、この場合、余裕の入り込むスペースはない。逆に「没頭してする」ならこんな幸せはない。
 「没頭」できるには、好き、熱い、楽しいなどの実感が必要だが、そこで「なんのために」しているかを時々振り返ることが余裕だろう。「没頭」は「盲目」にもなるからだ。
 別な言い方をすれば、目的をうかがう視角を広くすることを余裕といっていい。人との出会いが広角になればなおいい。   

歴史文化研究所
 副代表理事・編集人 石井 伸和