小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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地産(27) 後志でなにが生産されているの

三升漬
蘭越町交流促進センター幽泉閣  支配人 谷口 秀男 氏


幽泉閣売店
幽泉閣売店
三升漬とは
 北海道ではお馴染みの三升漬。名前の由来は、青南蛮・麹・醤油をそれぞれ、一升ずつの分量で合計三升漬け込んだことからきている。北海道、東北地方の保存食として昔から食卓の脇役として親しまれている。東北地方では、一升漬・麹南蛮と呼ぶ地域もあるらしいが、どれも三升漬のことだという。今では従来の材料に様々な食材を加え、味や食感にバリエーションを出した製品が出ている。

冷やっこの薬味として
冷やっこの薬味として
地場産業振興加工センター
 蘭越町はもともと米の生産地として有名だが、米以外の特産品を創出し、地場産業の振興を図る目的で、昭和59年2月に蘭越町地場産業振興加工センター(山菜加工場)が昆布町に設置された。
 蘭越町は豊かな山林に囲まれ、山の幸が豊富な町。特にニセコ山系は後志の山菜の宝庫であり、春先はフキ、ウド、ワラビから始まり、初夏に採れる竹の子は町内外でも秀品として重宝がられる。これらの山菜を生鮮品として出荷するのではなく、加工して付加価値を高め地場産業として確立させることがセンターの役割。30年経った今、加工センターは特産品も生み出し蘭越町の地場産業として機能を果たしている。現在、製造されているのは三升漬をはじめ、キムチ類、もろみ漬類、水煮類、メロン粕漬け、セロリ紫葉漬など。

浅漬けに添えて
浅漬けに添えて
蘭越町と三升漬
 そもそも、なぜ蘭越町で三升漬が有名になったのか。開拓時代に入植した人たちが持ち込んだ、ということでもないらしい。昭和50年代半ば、加工センターが出来る前、農家の有志が集まりシメジの栽培工場を立ち上げた。当時は道内でもキノコ栽培工場は競合するところがほとんどなく、販売価格も安定していた。しかしそのうちに栽培工場が道内に何社かでき、次第にキノコの価格が下がりはじめていた。
 一方、当時の蘭越町は町の特産品としては、米以外では菓子の「雪饅・渓流焼・しらかば」などであり、幽泉閣を訪れる温泉客に地元の産物を活かした特産品を要望する声が高まっていた。加工センターの開設を控え、加工品の一つとしてシメジに付加価値を高めるために三升漬にしようとする案が出た。当時、町内外の漬物を製造している方々から加工技術の指導を受けながら試作を進めていたが、町内の漬物工場を退職された方を工場長に採用した。三升漬そのものは道内どこにでもある商品だが、これを蘭越ならでの製品にするために地元のシメジ、シイタケを加え地域色を出すこととなった。こうして昭和59年12月、シメジ、シイタケの三升漬が発売され、その後山菜も加わり3種類となった。
 販売にいたっては、当初は町内販売が主であったが、採算面である程度の量産が無ければ運営が困難なことが判明し、販売先を確保するため札幌・小樽方面のスーパー等に1軒1軒製品を持参し、地道な営業活動を行った結果、採算ベースを図ることができた。その時、食品担当の責任者からパック詰の販売方法やパッケージのデザインの問題等、多くの意見をいただき、現在の製品に至った。その後、徐々に蘭越町の特産品としてお客様に浸透し、順調に売り上げは伸びていった。昭和60年4月、「三升漬は」は北海道の特産物100品目に選ばれ、「ふるさと小包」となり、更に平成2年には北海道主催第2回地場農産加工品コンクールにおいて3種の三升漬がデザイン賞を受けた。こうして蘭越町の三升漬はお墨付きの特産品となり、温泉を利用する常連客や観光客、地元町民の食卓で愛される商品となった。

加工センターの生産品
 三升漬は加工センターの主力商品となったが、他にも様々な商品を生産している。主に漬物類だが、地元ならではのフキやウドを使ったもの、セロリやナスのキムチ類などお土産としても人気で価格もお手頃である。
 加工センターのもう一つの大きな売り上げを占めるのが山菜の水煮。家庭用から業務用まで需要の高い商品だという。春に町内の山菜を一斉に集め、塩漬け保存し順次出荷していく。山菜は栽培ものではなく、自生物。その年の天候により、不作のこともある。しかし、年間の供給量を確保するため、ニセコ山系の自然に自生する山菜は地元の山菜採り名人たちとネットワークを築き、新鮮なうちにセンターへ持ち込まれる仕組みを構築した。地場産業を支える独特の仕組みといえる。これから年末を迎え、山菜の需要が高まる時期だが、この仕組みにより今年も予定通りの出荷ができるという。

ご飯のおともに
 一般に市販されている三升漬よりも、蘭越町の三升漬は辛さがマイルドで誰でも食べられる優しい味。温かい白いご飯にのせて食べるのはもちろんのこと、豆腐の冷やっこ、白菜やホウレン草のおひたしの薬味としても最適。キノコや山菜が入っているので食感もあり、おにぎりの具材としてもおいしいという。
 年末の帰省で蘭越方面を移動する方は、幽泉閣に立ち寄り、お土産の一つとしていかがでしょうか。


蘭越町交流促進センター 幽泉閣
〒048-1302 北海道磯谷郡蘭越町昆布町114番地5 
TEL:0136-58-2131 FAX:0136-58-2823
URL:http://www.town.rankoshi.hokkaido.jp/yuusenkaku/
E-mail:yusenkak@eagle.ocn.ne.jp
函館本線・昆布駅下車徒歩5分
札幌から国道5号線 函館方面へ約2時間30分
日帰り入浴の営業時間は、午前10時から午後9時30分までとなります。
(月曜日は、お昼12時からの営業/月曜が祝日の場合は火曜日)
*三升漬詰合せ3個箱入(500g)1,071円 単品販売1個 299円

他の販売所
・国民宿舎雪秩父 蘭越町字湯里680番地 TEL 0136-58-2328
・道の駅「ふるさとの丘」蘭越町字相生969番地 TEL 0136-55-3251
・道の駅「シェルプラザ港」蘭越町港町1402番地1 TEL 0136-56-2700