小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
bg_top
alwHOMEalw読んでみるalw地産(26) 後志でなにが生産されているの

地産(26) 後志でなにが生産されているの

ぽてぷりん
倶知安農業高等学校
実習部長 愛澤 謙太 氏


高校生のアイデアで開発
 北海道は全国一のジャガイモ生産地。その中でも倶知安町は全道でも有数の生産量を誇る町として有名。しかし、毎年生産されるジャガイモの3割は規格外とされ、デンプンに加工されているのが現状。加工用ジャガイモは安価で引き取られるため、生産者等は何とか付加価値をつけられないかと模索していた。
 平成11年、倶知安町内の農業者、商工関係者、倶知安農業高校の教員で構成する「くっちゃん産業クラスター研究会馬鈴薯部会」で規格外ジャガイモの共同研究が始まり、試行錯誤の結果、「ポテトペースト」を開発した。この酵素を利用したポテトペーストの製法は平成16年に特許を取得した。
 平成17年、開発されたポテトペーストの利用法が検討された。最初はアイスクリーム、ジャム、ジュースなどの案が出され、試作してみたがどれも納得のいくものではなかった。そこで地元の倶知安農業高校生活科生活班の女子生徒6名にレシピ作りを投げかけたところ、「プリン」にするアイデアが出てきた。早速、授業の中で牛乳や卵、砂糖の分量などが研究され1年かけて試作品が誕生した。

倶知安をイメージして
 試作品のプリンは地元の主婦に試食してもらい、アンケート調査をしたところ高い評価を受け、商品化することとなった。
 生徒たちのこだわりは材料。地元のジャガイモと卵を使うこと。市販されているプリンにはカラメルシロップが使われているが、町木のイタヤカエデにちなんで天然のメープルシロップを採用した。そして上部には倶知安の雪をイメージしたふわふわの生クリームをのせた。さらにジャガイモの風味とトロトロとした食感にこだわり、オーブンの温度を低めに設定して作った。
 1個に含まれるジャガイモの材料比率は35%。口に含むとふわっとジャガイモのやさしい風味がひろがる。完成度の高い味で、人気があるのもうなずける。

倶知安農業高校の取り組み
 倶知安農業高校はジャガイモを中心とした農産品、畜産品、加工品を授業の一環として生産している。11年前より、生産する知識、技術だけでなく、どのように販売していくのかを実践するため町内の店舗で自分達が生産した農産品や加工品の販売を始めた。最初は空き店舗を借りての販売だったが、「まちの駅ぷらっと」が出来てからは夕方の約1時間のみ施設内のスペースを臨時の店舗に見立て販売実習を行っている。店舗名は「農高のおみせ」。週1回、木曜の夕方になると、高校生がやってきて販売準備を始める。商品は先生がトラックに積んでくる。販売開始の1時間前にはお客様が施設内で並んで待つほどの人気。その間、先生の指示のもと手際よく商品を並べ、買い物カゴをセットし生徒が持ち場に配置されたら販売開始。20〜30分でほとんどの商品は売れてしまう。新鮮な野菜をはじめ、完熟トマトで作ったトマトジュース、合鴨農法で栽培した米、味噌、ソーセージ、漬物など、すべて倶知安農業高校で生産されたもの。安いものだけが毎回売れるわけではない。生産者の顔が見えることで、高くても良い品質のものはよく売れる。消費者が安心・安全を求めている証しだろう。
 学校では生産、加工、「ぷらっと」では、流通、接客、マナー、販売を学ぶ。このような一貫した学習はキャリア教育としても貴重であり、これからの農業者にとっても必要不可欠な要素だ。この仕組みづくりをした倶知安農業高校には、これからも注目したい。

「ぽてぷりん」で町をつなぐ
 「ぽてぷりん」というネーミングは「ポテト」と「プリン」を合わせたもの。これも高校生が考案した。商品化するにあたり、菓子メーカーのブルボンに「ポテプリ」という製品があったため、高校は類似した商品名を販売する許可をブルボンからもらったというエピソードがある。
 平成19年7月から「ぷらっと」内の「農高のおみせ」で定期販売がスタートした。初日には120個、2日目は100個を完売した。現在もヒット商品として販売されている。
 商品化には当初より、町内の菓子店が全面協力した。倶知安農業高校は、この商品によって町が活性化することを期待している。つまり高校生が考案したプリンを統一レシピで町内の菓子店が何軒も製造し、町の名産品になることで規格外ジャガイモに付加価値がつき、経済波及効果が生まれる。だから今後、協力してくれる菓子店が増えることを望んでいる。現在は駅前の「みやたけ菓子舗」が製造し、販売は「農高のおみせ」が担当している。
 当時レシピを開発した生徒はすでに社会人となり町内外で働いている。しかし、たまに懐かしさで「農高のおみせ」にやってくることがあるという。高校時代に体験した2年間の販売実習やレシピづくりは、しっかりと郷土愛を育んだ。
 今、後輩達が先輩に負けじと、次の商品づくりにチャレンジしているという。農業高校ならではの新たな商品が誕生することを期待したい。

北海道倶知安農業高等学校
〒044-0083 北海道虻田郡倶知安町旭15番地
TEL:0136-22-1148・1149
FAX:0136-22-2252

くっちゃん まちの駅 ぷらっと
北海道虻田郡倶知安町北1条西2丁目
TEL:0136-23-0222
*JR倶知安駅より徒歩3分(駅前通り)
*営業時間:午前10時から午後7時・毎週月曜日定休
*ぽてぷりんは「農高のおみせ」(まちの駅ぷらっと内)のみの販売です。
1個190円。6月から12月初旬までの毎週木曜日、午後4時15分〜5時にお買い求めください。販売数が限られているため、すぐに売りれる場合がございます。