乾杯
しらとこずえ
各国の友人とお酒をいただく際に文化交流となるのが「乾杯」の挨拶だ。この乾杯一つに1時間以上話が続く。それは、各国言葉はもちろん、どの様に飲むか、話が尽きない。
例えば乾杯を世界各国どの様に言うか、簡単に説明をすると、北京語=カンペイ、広東語=ゴンブイ、韓国=コンベ、シンガポール=ヤンセン、フランス・ベルギー=サンテ、アメリカ・ナイジェリア・南アフリカ・イギリス=チアーズ、アルゼンチン・ウルグアイ・エクアドル・スペイン・パラグアイ・メキシコ=サルー、イタリア・ポルトガル=チンチン、オランダ・ドイツ=プローストと、様々な言い方である(日本語表記のため対象誤差あり)。
飲む時の体の角度等の飲み方がある。韓国・中国・台湾の乾杯は「飲み干す」と言う意味があるため、手に持っているグラスの中身は全て飲みつくさなくてはいけない。そして完全に飲みました!を意味する、頭上にグラスをひっくり返し、確かな証拠を見せる。その繰り返しをする。
韓国・中国・台湾での共通点は、親友であればある程、潰れるくらい飲んでくれることが親友の証である。記憶がなくなってもあなたの事を信用しているので飲みます。を意味する。日本人では考え難い。
フランスではサンテと言う際に必ず目と目を合わせる。合わせないと「毒入りを飲ませる」と言う意味になる。いわゆる信用しています。を意味する。中世の歴史から始まった事である。
飲み方は様々だが、全て相手を思っての飲み方である。アルコールがなくてもできるのは、目を見ながら挨拶をする事で信用確認となる。乾杯一つで世界中の文化を楽しむ事ができる。