小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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alwHOMEalw読んでみるalw帰化人(35) 小樽こだわりのライフスタイル

帰化人(35) 小樽こだわりのライフスタイル

対象とひとつになるライフスタイル
三枝 丈太郎 氏

TEL&FAX 0134-55-2025
http://www.aikido.co.jp/otaru/
E-mail:joe@aikido.co.jp



履歴
 三枝氏は昭和53年12月に東京都立川市で、合気道師範であり整体師の父三枝龍生氏のもと、4人兄弟の長男として生まれた。
 15歳のとき広島県江田島にある海上自衛隊第一術科学校生徒部で4年間、さらに18歳で広島県立西高等学校、21歳で海上自衛隊での勤務を継続しながら、青山学院大学文学部英米文学科の夜間に入学。卒業後東京渋谷区の不動産仲介業に勤務したが、1年後に26歳で再び習志野の陸上自衛隊第一空挺団に入隊し4年間の修行を積まれる。29歳のときに父の運営される合気道施設の手伝いに就き、32歳で結婚、間もなく第一子誕生。

転機
家族を持つ恵みを得て間もなく3・11大震災が起き、東京でも震度4前後の余震が続き緊急警報が普通になる状態に置かれた。三枝夫妻は小さな子供を抱えて大きな不安にかられる。「復興もままならず、放射能汚染の終熄宣言もなく、ましてや4年以内に首都直下型の地震予測まで流布される東京にいて大丈夫だろうか。食品も震災も、なによりも子供を思えば心配は募った」そう考えたという。
 自らの合気道師範は他の地方でなんとか根付かせられる。書籍編集を仕事としている妻・陽子氏の業務もIT活用で大方はこなせると考え、移住を決意。選択肢は災害の少ない沖縄・九州・北海道が浮かんだが、父上の「文化は暖かい土地ではなく、寒い土地でこそ育まれるもの」という助言で北海道移住に方針を定めた。
 札幌を中心に各地を回った際に小樽のホテルに宿泊し、夕飯をとった若寿司の店主とご家族の温かい触れ合いに感動。近くのコンビニの店員の対応にも温かい人間味を感じ、「小樽」に決めた。

合気道的視点
「コンビニの裏マニュアルには余計な触れ合いを避けるためにお客とは目を合わせないようにするという言い伝えがあるそうです。でも小樽に泊まった際に訪ねたコンビニ店員は実に気さくな笑顔でもって、目を合わせて私の質問に応えてくれました。合気道には試合も勝ち負けもなく、相手と一つになる極意が基本になります。互いの目を見つめて相手の動きを察しようとする目と目を結ぶ対立の力学が働きますが、地球には重力というものがあり、その力学に互いが縛られてもいます。つまり床に並行する対立の力学と、床に垂直に働く重力の力学から、両者には斜めの新たな力学が求められるのです。僕はコンビニの店員にそんな素直で素朴な斜めの力学を感じたんです」と実におもしろい表現で教えてくれる。
「石井さん、ゲンコツを握って僕と向かい合ってください。僕が石井さんの手を握って動きを封じますので、僕の力を感じてみてください。次に石井さんはゲンコツを開き、朝顔の花のようにしてください。僕はまた同じように動きを封じてみます。どちらに強引さを感じましたか」驚くほど感じる力が違う。明らかに朝顔の花状態であるほうが相手との一体感がある。「それは僕自身が石井さんのゲンコツに敵意を感じ、僕の潜在性が構えるからなんです。朝顔の手は、相手を倒そうという執着から離れた形。そうするとお互いに構えがはずれて優しくなるんです。つまり相手との関係性が力として表れるのが合気道の考え方なのです」
 嗚呼、開眼。

小樽観
「僕たち家族は、お金や立場にこだわるより、自然災害に遭うことなく、楽しい仲間と自分を信じ、そして自分らしい人生が送れると思い小樽に移住してきました。初めて豪雪の冬を過ごしましたが、ご近所や仕事仲間やサークル仲間のみなさんが心配してくれ、雪とつきあう様々な智恵を授けてくれました。抗えない雪という共通の敵の下での団結なのですね。また僕の住む家は高台にあり、そこからの眺めは小樽の横顔を一望できますが、この坂の街の高低差が文化をつくっているんじゃないかって思っています」
 合気道でいう一つになるための斜めの力学だ。小樽には実に斬新な見方をしてくれる財産を得たと心から思えた。

合気道 天心会
合気道ならではの護身術、心身鍛練に加え、直感力を磨き、社会生活や人間関係をより豊かに。
■会場:龍宮神社 武揚の間(稲穂3-22-11)
詳しくはホームページ、また電話にてお気軽にお問い合わせください。