小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
bg_top
alwHOMEalw読んでみるalw地域貢献(6) ―ブランチによる小樽仕様―

地域貢献(6) ―ブランチによる小樽仕様―

北海道電力株式会社 小樽支店 支店長 氏家 和彦氏
〒047-1133 小樽市富岡1-9-1
TEL(0134)23-1112
FAX(0134)33-9143


泊原子力発電所 左から1号機・2号機・3号機<写真提供:北海道電力>
泊原子力発電所 左から1号機・2号機・3号機<写真提供:北海道電力>

小樽支店長 氏家 和彦 氏
小樽支店長 氏家 和彦 氏

北電設立
 電気事業は明治時代半ばに誕生し、その後民営による合従連衡の時代を経て、昭和13年に電力管理法制定、同14年国営の日本発送電株式会社が発足、同17年全国の配電会社が9つに統合されて国家管理が進んだ。戦後の昭和26年の電気事業再編成で全国に9つの電気会社が設立され、現在の北海道電力が生まれた。小樽には創立時から支店が設置されている。

小樽の特殊性
 電気需要は大きく民生用・産業用に分かれるが、北海道は全国に比べて民生用の割合が高く、また冬期の暖房や融雪のための需要が大きいという。
 また地方では人口減少が加速してきたが、家電製品の増加に加えオール電化住宅の普及もあり、人口減をカバーするに充分な需要を喚起してきた。
 ちなみに平成22年度の後志の新築戸建住宅の62%がオール電化を採用するほどの普及率になっている。そしてこの特徴は寒冷地の北海道の特徴でもある。

発電の種類
 北電全体の発電量は、平成22年度実績で原子力44%、水力15%、石炭火力31%、石油火力8%、新エネルギー等2%の割合で、原子力や石炭火力をベース・ミドル電源、石油火力は急激な需要の変動に対応するピーク電源に位置づけられている。
 北電小樽支店管内には平成23年3月末現在、原子力207万kW、水力2万7千kW、太陽光15‌kWが設置されている。今後の方針では京極の揚水式水力発電や石狩湾新港地区に新設するLNG火力で電源の多様化を図ろうとしている。

一般的な疑問
 我々は生活でも仕事でも電気を使用しているが、電気は一般の商品と異なり、基本的に蓄えておくこと、つまり在庫を持つことができない。だから生産されている電気は送電線を伝わって生産即使用という絡繰りで流通している。例えば住宅に太陽光発電を設置し、自宅で使いながら余った分は電力会社に売電できるが、その電気もまたすぐどこかで使用されるという仕組みになっている。電力会社は安定した電力供給が最大の使命としているから、電力需要の変動には何よりも敏感になる。
 もし蓄電技術が普及すれば、供給調整は革命的に安定する。たとえば風力や太陽光などの新エネルギー発電が個人住宅の分野にまで広く普及させれば、蓄電分をまとめて電力会社に売電できるし、その分、原子力依存率が下がると思い、氏家支店長に尋ねてみた。
「仰るとおり、蓄電技術の進歩は大きな課題の一つです。電気自動車などの蓄電技術自体は既にありますが、技術面・コスト面においてまだまだ途上段階にあり、大規模な発電所を代替できるような実態にはありません。「電気」という在庫できない商品を扱っていますので、今は日々緊張感の中で安定供給の確保に努めているところですが、今後蓄電技術が革新的な進歩を遂げて、かつコストを大きく低減させることができれば、電気の利用形態が変わってくる可能性もあると思います。」

ベストミックス
 水道水は基本的に川の水を浄化したものを水道管を通って各家庭につながっている。浄水場の位置やその浄水場が版図とする需要量によって、複数の川水がブレンドされることも一般的だ。電気もこれと同じように、原子力であろうと水力・火力であろうと、あるいは新エネルギーであろうと送電線に流れ込んだ時点でブレンドされる。だが、電気は発電の種類によって性質が異なり、一定の出力で発電するもの、需要の変動に応じて発電するもの、天候の変動に応じて発電量が変化するものがある。電力会社はこのような性質の異なる電気を組み合わせて、低廉で安定した電力を供給している。これがベストミックスという考え方だ。たとえば泊原発は現在三号機のみが稼働している。一号・二号機は停止中なので、その不足をどの発電で補うかという緊張感である。
 電気は発電所から送電線を伝わって変電所から一般家庭や事業所に配電されるが、その送電線の容量にも限界がある。コンピューターのメール送信でデータ容量の大きい大型のカラー写真を送ると、とても時間がかかるという経験もおありだろう。電気の送電も同じで、需要に見合う電気を安定的に供給したいが、急激な変化で安定が保証できなくなる場合もあり得る。だが、電気の場合は単に「送信に時間が掛かる」というような問題では済まされない。不安定な電気は機器の故障や停電といった、お客さまの生活に重大な支障を及ぼすことにもなりかねないのだ。
 目に見えない電気という商品の緊張感を垣間見る取材であった。
(関連記事はコラムにて)