小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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地産(15) 後志でなにが生産されているの

つけもの
赤井川おつけもの食堂(叶ヤ井川エコファーム)
工場長 新見 愛子 氏


人参漬
人参漬
会社の経緯
 赤井川村の中心部、国道沿いに叶ヤ井川エコファームのつけもの工場がある。直営店の「赤井川おつけもの食堂」といえば知っている人も多いはず。店舗はこの工場のすぐ隣りに位置する。食堂は10月末で冬期休業に入った。
 工場は、創業時、小樽の会社の経営で、たくあん工場として操業していた。その後、会社の経営は紆余曲折を経て、現在の会社の経営となった。

スイートコーンピクルス
スイートコーンピクルス
はじめの一歩は主婦のパート
 新見さんの出身は倶知安町。結婚で赤井川へ転居してきた。昭和49年、このたくあん工場のパートに誘われ働くこととなる。家計の足しになればという普通の主婦の思いだった。これがつけものの道へ入る第一歩だった。力仕事のしたことのない主婦にとって大根や重い塩袋などを大量に工場内に運ぶ仕事はきつかったという。
 何年かして仕事にやっと慣れた頃、工場は赤井川村の経営者に替わった。新たな経営者から、製品作りも任されるようになった。以前の経営者の時は、業務用の樽漬けたくあんだけで、取引先も食堂やスーパーなど大口に限られていたが、これを契機に製品を小分けしてパック詰めし個人向けの販売にも力を入れるようになった。
 ある時、新見さんは本州メーカーのたくあんが1本ずつ真空パックで売られているのを見た。これまではトレーのパック詰めが主流だったが、どうしてもたくあんの匂いが気になっていた。しかし真空パックなら匂い、日持ち、衛生面をクリアできると思い、会社で取り組むようになった。当時、真空パックのつけものを手がけたのは道内では初めてだったのではないかといわれている。売り方が大きく変わった時だった。

大根ハスカップ小樽ワイン漬
大根ハスカップ小樽ワイン漬
製品開発
 昭和51年、たくあんの1本漬けだけだった取り扱い製品も、この製法を基本にして新製品を増やしていった。これには取引業者からのアドバイスや地元からの原材料の提供など、あたたかい支援を得て新見さんは製品開発に取り組み、独自の味作りにチャレンジしていった。
 1本漬けべったら風、みそ漬け、からみ漬け、3年後にはメロン漬けなどバリエーションも増え、当初の1本漬けを含め5種類となり売り上げも順調に推移していった。

玉ねぎハスカップ小樽ワイン漬
玉ねぎハスカップ小樽ワイン漬
転 機
 ところが平成12年、当時の社長の体調不良が続き、会社を譲渡する話が出る。新見さんも引き受け先を探し東奔西走。2年後、会社を引き受けてくれたのが小樽の「くみあい食品」だった。新見さんは工場長を任されることとなったが、もう一つ大きな課題を与えられた。これまでの製品は、少量ではあるが、食品添加物が入っていた。しかし、これからは無添加、無着色、減塩での製品作りが新見さんに課せられたテーマだった。

長いもの松前漬
長いもの松前漬
無添加へチャレンジ
 家庭で作る浅漬けは誰もが無添加で作る。ところが製品となれば、味や色止め、保存期間を長くするための食品添加物は不可欠だ。無添加での製品作りは初めてのことで、試行錯誤を繰り返し、経営者はじめ社員にも試食をしてもらったが、その評価は千差万別。
 遂には自分の「味」が分からなくなってしまった。それでも、試食で合格点が出るまで毎日作り続けたという。その苦労から生まれたつけものの数は20品を超え、毎年たくさんの人が訪れる「赤井川おつけもの食堂」で食されている。

食卓を豊かにする「つけもの」
 新見さんは言う。「これまで、つけものは食卓の添え物だったけど、主菜になりえるものを作っていきたい」。新見さんのつけものは減塩でやさしい味。パンにのせたり、料理の食材として使ったりと、これまでのつけものという枠には収まらないものになっている。
 一パートの主婦から始まったつけもの人生は苦難の連続だったが、その時々に人に恵まれ、支えられ今日まで続いている。北海道の「食の名人」に認定されている新見さんだが、単に技術に優れているだけではない。明るい笑顔と笑い声で食を楽しくさせる力をもっている。来年、おつけもの食堂がオープンしたらぜひ訪ねてほしい。おそらく店の中で一番元気がいいのが新見さんだ。そして、そのやさしい味のつけものを食べたら納得の味だろう。

赤井川おつけもの食堂
〒046-0501 余市郡赤井川村字赤井川115番地
TEL 0135-34-6510 FAX 0135-34-6525
*国道393号線沿い赤井川村中心部
E-mail:otsukemono@aurora.ocn.ne.jp
URL: http://www5.ocn.ne.jp/~akaigawa/701.html
*冬期間は休業中。4月下旬以降に営業再開。
*つけもの購入希望の方は上記ホームページでお買い求めください。