小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
bg_top
alwHOMEalw読んでみるalw地産(14) 後志でなにが生産されているの

地産(14) 後志でなにが生産されているの

ニンジン(ピクルス)
Deri&café FUNABA FARM (汲モなば農場)
店長 船場 祥子 氏




羊蹄の恵み
 羊蹄山の麓に広がる京極町。ふなば農場は羊蹄山を真近に見上げる川西地区にある。代表の船場英雄氏は農場の四代目。約50‌haの畑にじゃがいも(男爵)、ニンジン、小麦、小豆、大豆を生産している。
 羊蹄山麓一帯はじゃがいもの生産地として有名だが、特に京極町は「京極じゃが」としてブランド化され、食味の良さで定評がある。それは寒暖差の大きい気候、排水性の良い火山性の土壌、羊蹄山から湧き出た地下水にあるという。
 また、京極町では10年程前からニンジンの生産に力を入れるようになった。後志はニンジンの生産量で道内の約7%とまだ少ないが、真狩村と京極町で後志の生産量の80%以上を占め、倶知安町、ニセコ町がこれに続く産地となっている。
 京極町のニンジンの特長は、羊蹄山麓の冷たい名水で洗浄され、すぐに冷蔵されるので、おいしさが長持ちするという。また、雪の下で越冬させた春掘りにんじんは、甘さを増し美味とのこと。

農業の現状と生産者の思い
 今年、農場に新たな動きがあった。妻の祥子さんが7月、農場にショップを開店した。「Deri&cafe FUNABA FARM」(デリ・アンド・カフェ フナバファーム)。開店のきっかけは生産者ならではの思いだった。
 ふなば農場では毎年6haの広大な畑でニンジンを生産している。土づくりからはじまり、極力除草剤を使わず、草取りを繰り返し大事に育て収穫を迎える。しかし、収穫されたニンジンの約1割は「規格外」となり、これまでは畑にそのまま捨てられ鋤き込まれていた。これはどこの農場も同じ状況だという。曲がりや割れは仕方ないとしても、きれいな形であってもサイズが合わないと規格外になるという。出荷に厳しい規格があるのがニンジン。味も栄養も何ら変わらず、形が不揃いというだけで捨てられるのは生産者としてやるせない思いだった。じゃがいもは規格外でも加工用としての需要があるが、ニンジンは加工用原料として、後志ではまだ確立されていないため廃棄せざるを得ないのが現状だ。トウモロコシも実を覆う皮に少しでもシミがあるだけで出荷できないという。これが農業の現状だ。

ニンジンピクルスとの出会い
このように捨てられる規格外の野菜たちを少しでも何とかしたいと思っていた時、イベントで農産物加工料理研究家の西野洋子氏と出会った。この出会いが今のショップへとつながった。この時、西野氏が規格外のニンジンを使って作った即席のピクルスの味、そしてそのおいしさが印象深く残った。祥子さんは早速レシピを教えてもらい、自宅で作り家族で楽しんでいた。自家製としては好評だったので、商品化を目標に他の人にも試食してもらい意見を参考にしていった。

商品化へチャレンジ
 野菜たちの現状を知ってもらうためには、このニンジンピクルスを本格的に商品化し、規格外でもおいしいことを広く伝えたい。この思いとともに商品化とショップ開店に向けて昨年から準備が始まった。
 味は2種類とした。洋風はリンゴ酢、和風は米酢をベースに、基本レシピを改良して自分なりの味を作っていった。初めての経験であり、江別の食品加工研究センターの指導を受け試行錯誤が始まった。気温や酸度、ピクルス液の温度、作業時間など細かなチェックを繰り返し、ビン詰め後、2週間程様子を見てから販売する商品を選定することにした。

開店
 苦労の末、今年7月、店内のショーケースにオレンジ色のニンジンピクルスが並んだ。店内にはピクルスの他に手作りジャム、手作り無添加石けん、休憩が出来る屋外スペースでは季節のキッシュやポテトフライ、ドリンクなどを楽しむことができる。決して分かりやすい場所ではないが、車で探しながらたくさんの方がやって来てくれたという。お客様の反応は上々。規格外でも新鮮で美味しいことが伝わったようだ。
 ニンジンのカットの形やビンのデザインにもこだわった。カットした形に合う丸いデザインのビン、主張し過ぎないシンプルなラベルなど祥子さんの思いがすべて詰まっている。冬期間はショップは休業するが、来年の春にはアスパラのピクルスも登場する予定。とにかく都会の人にピクルスを通じて、農家の現状を伝えたいという。


Deri&café FUNABA FARM 汲モなば農場
〒044-0131 虻田郡京極町字川西172-46
TEL&FAX 0136-42-3880
E-mail:funaba-farm@mvc.biglobe.ne.jp
Blog:http://ameblo.jp/funaba-farm-sassy/

*Deri&café FUNABA FARMは11月より冬期休業します。春からの営業日はお問い合わせください。(国道276号線と道道97号線の間の町道にあります)
*現在は道内外(札幌、東京、名古屋)の「北海道どさんこプラザ」で取り扱い中。今後は高島屋デパートの物産市や雑誌「北海道生活」のウェブショップにも展開 予定。
*ピクルス購入希望の方は電話、FAX又はメールでお問合わせください。