小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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まちづくり学(3)

地域と大学
小樽商科大学 商学部
社会情報学科 准教授
ビジネス創造センターフェロー 大津  晶


 前回は「コンパクトシティ」の源流について紹介してみました。今号では引き続き…と行きたいところですが、本学創立100周年の記念行事に合わせて、今回は本稿のもう一つのテーマである「地域と大学」に関して述べてみたいと思います。

マジプロについて
 先日、今年度の「マジプロ」の開講式・初回講義を行いました。いまでは小樽のみなさまに多少は認識いただいているマジプロですが、本来「商大生が小樽の活性化について本気で考えるプロジェクト」という長い名前のプロジェクトでして、数年前のプロジェクト発足当初に、とある学生が「本気プロ」と短縮した呼称がなんとなく定着し今日に至ります。読者はあまり関心が無いかもしれませんが、実はこのプロジェクト、正式には「地域連携キャリア開発」というカタい名前の小樽商大の正式な講義で、履修した学生には4単位が与えられます。学生が企業などで一定期間研修するインターンシップをご存知だと思いますが、この講義はいわば学生が小樽という地域で研修を行うインターンシップだと言えば分かりやすいかもしれません。そして、学生に課せられる課題が地域性に富んだ小樽ならではのものであり、その課題に半年間の長期にわたって取り組むという点がこのプロジェクト型講義の特徴なのです。

実践教育の現場としての地域
 小樽商大建学以来の教育理念が「実学実践」であることをご存知の方も多いと思います。歴史を繙けば、高商時代の石鹸工場に代表される実践的教育の逸話も数多く、これに語学と品格を加えた三つが本学の教育目標でもあります。
 ところで、昨今の大学教育の現場では、PBL(Project/Problem Based Learning)なる言葉が流行っておりまして、これは要するに課題解決型の教育の総称です。理論の体系や分析の手法を頭で理解するだけではなく、実践してこそ社会で通用する本物の力になるということはいまさら論をまちませんが、では我々は学生の望ましい「課題」をどこに求めれば良いのでしょうか。私は、その答えの一つが「地域」なのだと考えています。むしろ小樽商科大学の歴史や環境などの諸要因を吟味すると、小樽という地域こそ実践的な課題と環境を提供してくれる最高のフィールドだと言って良いでしょう。

今年の課題について
 一方の「地域にとって大学が存在する意義」について述べたいところですが、紙幅の都合で次回以降にして、最後に今年度のプロジェクトの内容について紹介しておきます。昨年度まで地産地消のご当地メニューや商店街活性イベントなどに取り組んできましたが、今年度は@小樽スイーツの開発(小樽青年会議所)、A新しい観光ガイドの製作(オー・プラン)、B地域の歴史絵本の活用(中小企業家同友会)、C北前船関連イベント(北海道新聞など)、D小樽駅周辺のまちづくり(JR北海道など)E小樽観光データベースの構築(NPO法人小樽ソーシャルネットワーク)(※注:括弧内は協力機関等・敬称略)の6課題に挑戦する予定です。昨年度までは小樽市との包括連携協定に基づいて市の行政課題を中心にしていましたが、今年度は地域の幅広い団体・機関にご協力をいただき、より実践的で小樽らしい課題が揃ったと思います。冒頭に説明したように、このプロジェクトは、まずは商大生が大学のキャンパスを出て地獄坂を下り、地域に飛び込まないことには何も始まりません。小樽のみなさまには、ぜひとも胸を貸していただくつもりで、学生の取り組みを見守っていただきますようお願いいたします。