小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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alwHOMEalw読んでみるalw帰化人(21) 小樽こだわりのライフスタイル

帰化人(21) 小樽こだわりのライフスタイル

ノリシロのある街
北海道銀行小樽支店長 坂井 章 氏

北海道銀行小樽支店
〒047-0032 小樽市稲穂2-8-9
TEL(0134)23-5111 FAX(0134)25-9481



帰化経緯
 青森県から曾祖父が北海道に移住、積丹のニシン漁に従事した。父は土木建設業に従事し札幌に移住、昭和36年に積丹で生まれた坂井 章氏は家族と共に札幌に移り小中高を過ごし、以後仙台の東北大学に進学し、当時仙台支店にいた大学の先輩との縁で北海道銀行に就職。
 坂井氏は小樽赴任まで11回の辞令を受け、地域では旭川・札幌・函館・釧路・当別・石狩、そして本社では人事部・経営企画部・監査部などを歴任し、平成22年に小樽支店長として赴任された。

子供の頃の印象
 積丹で生まれたことから札幌と積丹の往復はかなりの数に上るが、その往復の真ん中には小樽があり、「都会」という印象が強くあったという。小樽の人口がピーク20万7千人であった昭和39年を見てきたからだろう。
 また広大な平地の札幌の殺伐とした都市性より、狭い土地に人と建物が密集して蠢くような小樽の都市性が坂井氏の強い印象に染みついていたことがうかがえる。

赴任時の印象
「北海道は札幌以外、どの地域も人口が減少しています。小樽も同様ですが、私は観光客の多さをみて、驚くと同時に小樽は恵まれていると思いました。あるとき社員の入社面接の際に二十歳の女性希望者に小樽のどこがいいですかと聞いたのです。すると人がいいですと明確に応えたのに大変ビックリしました。たとえば自然や歴史をいうのが普通ですが、人が出てきたのは驚きました。それは多分、家族や友人関係に彼女が恵まれていることが大きな要因ですが、人がいいという印象は、その後の小樽の様々な人々に私自身がお会いして飲み込むまで謎に包まれていました」と大変ユニークな印象を語ってくれる。

現在の印象
「人口が減少している地域の人々の多くは、その地域の愚痴をいうことが多いですね。したがっていいところはと聞くと面食らうこともしばしばです。ところが何故か小樽と函館だけは誇りがあってその街が好きな人々がたくさんいます。これは多分歴史ですね。そして例えば苫小牧ならホッキ、鵡川ならシシャモと数少ない資源の発掘と開発に熱が入ります。ところが小樽はノリシロ、つまり前面に出ない潜在的な余裕があるのではと感じています。というのは、歴史も自然も食も輝きを発し、それらを生かす視点も個別にあるのですが一つになっていないのです。うがっていうと一つになる必然性や必要性を感じていないとさえ思えるのです」
「そこで人がいいという謎ですが、いわゆるいい人なのです。余裕がない人や目的に向かって必死な人がいい人という印象を与えることは完璧でない限りあまりありません。逆にいうと余裕があり目的がないから人を味わう風土があるということになります。これは文学的や人間関係にはプラスですが経済的にはマイナスな場合が出てきます。私は銀行マンで経済支援の立場ですから、ある意味、経済的危機の信号だと認識しています」
 坂井氏は銀行が扱う数字の背景を、このような人間学の立場で鋭い指摘をしてくれる。

提案
「たとえば観光において国内客でも国外客でもターゲットをしぼったマーケティングを徹底すべきだと感じています。歴史や自然や食でも明確な印象を与えるような仕掛けが必要ですね。体験して脳裏に焼き付くような資源育成をしなければ、中途半端に留まり、リピーター作用が働かなくなるからです」
 外から来られて客観的な視点で小樽を分析し、徹底したマーケティングの提案をしてくる。小樽人が小樽独自のブランディングを個別に高める一方で、一つになってマーケティングに向かうべき時がきたといえる。