小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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帰化人(19) 小樽こだわりのライフスタイル

進取の気性の復活
石橋 八千代 氏
株式会社エフエム小樽放送局
総合プロデューサー

株式会社 エフエム小樽放送局
〒047-0021 小樽市入船4-9-1
TEL(0134)32-1000 FAX(0134)33-7630
http://www.fmotaru.co.jp
yachiyo@fmotaru.co.jp



帰化経緯
 石橋氏は真狩生まれで大阪芸術大学を卒業後、大阪でフリーで司会をしながら、奈良テレビのレポーターなどを2年間経験して帰道。平成元年はまなす国体の式典アナウンサーを契機に、HBCラジオ・司会をフリーな立場で行っていた。平成7年にFMおたる設立の際に声がかかり、設立準備や経営も含めて立ち上げるスタッフとして小樽へ移住。以来15年間、FMおたるのメインボイス的役割を担い、平成23年から総合プロデューサーとなる。

まいっか
 「小樽には、まいっかとあきらめる気質がとても多い気がします。執着しない潔さともいえるし、深くこだわらない受け身ともいえます。既存のしがらみの中の秩序で、考え方も仕事も生活も回っているスパイラルの運動のような構造です。しかし執着しないであきらめやすいから、スパイラルの半径が段々縮小しているように思えます。たとえば例として、都市の現象に、様々な媒体でサービスやクーポンが提供されることがよくありますが、小樽の方々がそれを使うことが非常に少ない様な気がします。その程度のサービスでは動機にならないのか、あるいは恥ずかしいのでしょうか。そう簡単に動いてくれません。なにか追っているものがあれば、ささやかな情報でも簡単に人は動きますが、そういった食いつき率が低いように感じています。もちろん私たちに、食いついていただける情報提供をしていないという反省とがあって、接点をみつけられずにいます」

歴史のリアクション
 小樽が文字通り人間交差点の港町であった頃、あらゆる文化も人間も受け入れていた。そしてこの進取の気性が弾みとなって一躍発展したが、戦後、どんどん人口が減り、港町の機能を失い、今度は逆に保守的となった。すると外部からの流入者に「よそ者」というレッテルを貼り、恥ずかしがったり、無愛想になったりする。かつては全員が「よそ者」であったにも関わらず。つまり決定的に進取の気性が欠如した。

スピリチャル・ポイント
 「心に影がさすとよく水天宮に行きます。そこから見える景色もいいのですが、なぜか気をもらえるのです。余分なものが浄化されて、自分をリセットさせてくれるのです。理屈を抜きにして、誰にでもスピリチャル・ポイントがあるのではないでしょうか。それは場所であってもいいし、子どもやペットの仕草でもいい。あるいはお笑いでも趣味やスポーツでもいい。小樽の方々を元気にしてくれる情報収集を今後はしていきたいと思っています。好きなものごとであればこだわりを持ちますし、もしかしたらそこから現代版進取の気性が生まれるかもしれません」

トポス
 詩学にtoposという用語がある。ギリシャ語で「場所」を意味するところから、潜在的な気持ちを喚起させる場をいう。ここでいうスピリチャル・ポイントと同義ともいえる。
「ホッ」とする場であるトポスは、個々人で異なって不思議はない。家庭でも旅先でも仕事場でもおおいにある。その人自身も気づかぬ心が、その場に出くわして喚起されるようなタイミングでもある。
 デジャヴュも似ている。「夢で見た景色」の再現だ。

ファンタジーの街
 ファンタジー文学の研究者であった河合隼雄氏は、ファンタジーは気配といった。
 スピリチャルもトポスもデジャヴュもその領域に入るだろう。
 小樽の街並みは、彼女が指摘するスピリチャル・ポイントが数多く眠っている気がする。