小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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帰化人(60) 小樽こだわりのライフスタイル

高齢者の培ったカンとコツを継承
小林惠里子 氏
合同会社 健康応援社
〒047-0024 小樽市花園5-8-4
TEL&FAX 0134-61-1342
kenko-oen@vanilla.ocn.ne.jp


スタッフに囲まれて 中央が小林惠里子氏
スタッフに囲まれて 中央が小林惠里子氏

帰化経緯
 小林氏は25年間、札幌のスイミングスクールでインストラクターとして勤務するかたわら、障害者の「ほっかいどうタンポポ」水泳アドバイザーとして、札幌や小樽で重度の障害者の指導を行い、また養護学校の教師の方々に水中運動の指導方法を伝えるために、自宅のある札幌から小樽にも通うようになる。
 平成23年「いくつになっても歩ける足を確保する」を目標とする合同会社健康応援社を設立し、平成26年6月、小樽に社屋と自宅を移転する。

旧小林邸
 NPO法人小樽民家再生プロジェクトは小樽の歴史的建造物の再利用をマッチングする組織だが、その活動の輪の中に小林恵里子氏が物件を求めておられ、たまたま同姓の旧小林邸(大正4年新築・昭和39年改築)の話に条件が合い、本年6月に契約・移転というはこびになった。

こんな考え方
「高齢化は全国的な傾向で、小樽は35%の高齢化率です。この傾向にシフトして介護施設が急激に小樽にも増えていますが、それと同時に、年齢を重ねても身体が丈夫であり続けるための施設が必要だと私は強く感じていました。無理のない適度な運動として、私が長年培ってきた水の運動がお役に立てられると実感しました」

こんな出来事
「そこで小樽にはまだ多く残っている銭湯にお願いして水中運動を始めました。すると私自身が驚いたことに、銭湯に集まる方々が運動のあとに、とても生き生きとお話をされるようになるのです。昭和の後期から希薄になってきた人と人の絆の復活を目の当たりにするようになり、同時に彼らには長年築き上げた技術や知恵が湧き出てくることを発見することができました」

こんな変化
「自立する高齢者が元気になって、元気になった分、人の役に立てたら誰もが幸せを実感できると、私自身の考えも変化してきました。運動が終わったあとに私も話の輪の中に加わると、個人個人の信頼が芽生え、私はこんなに素敵な智恵や技術や優しさに囲まれていると何度も実感するようになりました。するとそんな素敵なものをなんとか表現したいと思い、着物生地でコースターをつくったり、各家庭の伝統的な名物料理をつくったり、紙細工をつくるなどの具体案が見えてきたのです。これらの創作や披露の場として、この度ご縁があって小樽花園のこの空間に導かれたと天運を感じています」

おふろ仲間
おふろ仲間
運動教室
●おふろ仲間
 大正湯・神仏湯・小町湯 1時間
 月4回 月額2,500円・入浴料
●水仲間
 サンフィッシュスポーツクラブ
 月木各1時間 1期全8回
 5,000円 年間保険料1,500円
●Bodyメンテナンス
 健康応援社 月曜日3回/月
 各1時間 月額2,400円

水仲間
水仲間
おばちゃん食堂
 本年9月にオープン予定の試食をさせていただいた。そのへんにごろ寝しても気兼ねない空間に運ばれたメニューは、夏らしいちらし寿司・総菜・汁物・漬け物・しるこ・フルーツだ。のんびり庭を見ながら食べていると、隣の部屋からおばちゃんたちの笑い声が時々聞こえてくる。飾り棚には彼女たちが精魂込めてつくったコースターやランチョンマットも積まれていた。思わず「母さん、腹減ったぁー!」と甘えたくなるような、そんな懐かしいコミュニケーションの空間だ。
 小樽の歴史的建造物がこのように再利用され、おばちゃんたちの杵柄も生きていく。小樽に欠かせない文化がまたひとつ増えた。