小樽の皆さま、小樽出身の皆さま、小樽ファンの皆さまへ! 自立した小樽を作るための地域内連携情報誌 毎月10日発行
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帰化人(24) 小樽こだわりのライフスタイル

子供も街も個性的に
コリーナ・ボロン(Corinna Bolon) 氏



来日経緯
 アメリカ西海岸オレゴン州ポートランドに生まれたコリーナ・ボロン氏は、学生時代に日本からの留学生とたまたま仲が良くなり、日本に憧れた。大学時代には、金沢に1週間、神戸に1ヶ月間滞在する経験を持つ。また日本のクラスの課題で仮想旅行の題材に「小樽」を取り上げて調べ、具体的に小樽という地域への憧憬を募らせた。
 大学を卒業し、23歳の時、日本好きが高じて、日本政府のJETプログラムに応募し、メンバーに選ばれ、まさに偶然で運命的な使命がJETプログラムから降りた。それは、小樽赴任で、潮陵高等学校勤務である。

小樽での5年間
 平成18年8月、初めて小樽の地を踏む。潮陵付近の住居が与えられていたので、降り立った駅が小樽築港駅。そして初めて見た風景がウイングベイ、その都会性に驚き、また安心もした。この5年間、潮陵を拠点に、余市高校、商業、工業、水産、桜陽、聾学校などでも外国語指導助手として赴いた。

感受性
 小樽でのお気に入りは、汗をかいた後の爽快感と温泉が好きなので毎日のようにコナミスポーツに通うことだ。観光拠点では、旧日本郵船の豪華さやルタオのスイーツ、堺町にあった「雨情」という喫茶店に感動した。日本では「大正ロマネスク」といわれる風情の店内で、多くの人と交流もできた。また日本料理ではお好み焼きが大好きという。そして故郷のポートランドより多くの友人もできたとうれしさを隠せない。

教師勤務
 日本語はかなり上手だが、教壇では全て英語。嬉しいのは頑張る生徒がいるとき。いっぽう残念なのは無反応な時があること。英語で話していることが理解できないのか、理解しても反応しないのか。どちらにしても、もっと楽しい授業にしたいと心がけている。
 アメリカではどういう反応をするかが生徒個人の見せ所で重要な価値観を持つが、日本では一斉に黙りこくってしまうことがある。

パイオニアスピリット
 北海道には明治初期にアメリカから多くのお雇い外国人が訪れ、近代産業移植の種を蒔いた。だからパイオニアスピリット(開拓魂)があるはず。
 ちなみに彼女の故郷ポートランドという名称は、アメリカ東部のボストンとポートランドから入植した有力者二人がいて、地名を決定する際にコインの表裏で決めたという。同じく日本が近代化しようとした明治政府も、極めて荒削りの大局眼でものごとを進めてきた。北海道開拓使も同様だ。
 新たな世界を開こうとするとき、大胆な決断で進むことに価値を持つという認識や覚悟が今の日本に希薄になった。
 彼女はむしろそういうアメリカ的なパフォーマンス型ではなく日本のメンテナンス型を好むが、授業では積極的に声を出してほしい。それが語学を上達させるパイオニアスピリットだという。

もったいない
 「もったいない」という概念は日本特有といわれるが、彼女は小樽の運河をみてもったいないという。「とても美しい街なのに、たとえば運河沿いにオシャレなカフェがない。出勤前に美味しい珈琲が飲める早朝営業もない」
 コリーナ氏は8月で5年の外国語指導助手勤務を終えるが、9月から小樽の英会話教室「ビーハッピー」に就職が決まった。できれば小樽永住を望んでいる。

※JETプログラムは、「語学指導等を行う外国青年招致事業」(The Japan Exchange and Teaching Programme)の略称で、地方公共団体が総務省、外務省、文部科学省及び財団法人自治体国際化協会(CLAIR)の協力の下に実施している。
 このプログラムは、外国語教育の充実と地域レベルの国際交流の進展を図ることを通し、わが国と諸外国との相互理解の増進とわが国の地域の国際化の推進に資することを目的として、昭和62年度に開始。平成22年度で開始以来24年目を迎え、招致国は4か国から36か国に、参加者も848人から4,334人へと事業は大きく発展。
 参加者の職種は、小学校・中学校や高等学校で語学指導に従事する外国語指導助手(ALT)、地域において国際交流活動に従事する国際交流員(CIR)及び地域においてスポーツを通じた国際交流活動に従事するスポーツ国際交流員(SEA)がある。いずれも各地の地方公共団体等に配置され、参加者の活動の舞台は、大都市から地方の中小都市や農村漁村に至るまで、文字通り全国津々浦々に及んでいる。